文献詳細
短報
突発性脳波異常を呈した自己臭症の1例
著者: 木戸日出喜1 島田真由美1 岡田淳夫1 山口成良1
所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.674 - P.676
文献概要
「自分の身体から不快な臭いが発散して,周囲の人に不快感を与えて,そのために自分が忌避される」という自己臭体験について,精神病理学的見地からの報告は多く,自我漏洩症候群2),思春期妄想症4)としてとらえようとする方向,人間学的研究5)など多彩である。しかし,その生物学的側面についての報告は多くない。著者らは,自己臭体験だけで単一症候的に経過した症例(自己臭症)に脳波上,突発性放電(paroxysmal discharges)を認め,抗てんかん薬により著しい改善を示した1例を経験した。本症例の臨床経過と脳波所見の推移を報告すると共に,若干の考察を加える。
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