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研究と報告
重篤な意識障害を示した水中毒の2症例—頭部CT所見とMannitol療法
著者: 榎田雅夫1 新井一郎1 樋口輝彦1 山内俊雄1 山縣博2
所属機関: 1埼玉医科大学精神医学教室 2毛呂病院精神科
ページ範囲:P.749 - P.756
文献購入ページに移動両例とも発症時の頭部CTスキャンで両側シルビウス裂,脳溝,大脳縦裂の消失ないし狭小化と,側脳室の狭小化を認め,びまん性脳浮腫と診断した。脳浮腫治療を目的に高張利尿剤のmannitolを投与して,多量の利尿と意識障害の著明な改善をみた。頭部CTスキャンのびまん性脳浮腫所見は診断,治療的に重要と考えられた。重篤な意識障害と神経症状,びまん性脳浮腫を認める水中毒例には脳浮腫治療を積極的に行うべきで,mannitolは有効な適応であることを強調した。
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