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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻7号

1989年07月発行

文献概要

短報

離脱症状として発熱とせん妄を示したナロン(新配合剤)依存の1例

著者: 功刀浩1 中込和幸1 広瀬徹也1 風祭元1

所属機関: 1帝京大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.760 - P.762

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I.はじめに
 昭和30年より発売されている市販の解熱鎮痛剤ナロンまたはナロン錠は,古くから依存性が指摘され,症例報告も多い1,10,22)。しかし解熱鎮痛薬製造承認基準の一部改正14)において昭和52年より解熱鎮痛剤の配合成分としてbarbiturateなどが認められなくなって以来,市販の解熱鎮痛剤への依存症は減少ないし軽症化し,新時代を迎えた印象がある。ナロン錠も配合成分が大きく変化した(表)。これまで依存性が指摘,報告されてきたのは旧配合成分のナロン錠(以下「旧ナロン錠」と記す)に対するものがほとんどである。しかし今回我々は新配合剤のナロン錠(以下「新ナロン錠」と記す)の長期大量服用により頭痛,全身倦怠感,易刺激性,情動不安定などの精神身体症状を生じ,服薬中止後に発熱,せん妄などの離脱症状を呈した症例を経験したので報告し,依存形成について若干の考察を加える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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