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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻8号

1989年08月発行

研究と報告

慢性精神分裂病患者における病棟内のくつろぎ場所

著者: 横田正夫1 依田しなえ2 町山幸輝1

所属機関: 1群馬大学医学部神経精神医学教室 2慈光会病院

ページ範囲:P.815 - P.821

文献概要

 抄録 8年以上長期入院の慢性精神分裂病患者56名を対象に,病棟内のくつろぎ場所を言語的に場所名をあげさせる方法(再生法:研究1)と病棟の見取図上に印をつけさせる方法(再認法:研究2)とで検討した。研究1と2のいずれもくつろぎ場所を自由に報告させる自由報告条件,ついでいずれの場所が最もくつろげる場所であるかを選択させる強制選択条件より構成された。これら研究1と2は6カ月の間隔をあけて実施された。その結果,ほとんどの患者(研究1 87.5%;研究2 94.6%)がひとつ以上のくつろぎ場所を報告し,そして最も報告数の多かった場所は自分の病室であった(研究1 42.9%;研究2 62.5%)。また,研究2の強制選択条件でくつろぎ場所として自分の病室をあげた患者のうち研究1でも同じ場所を報告したものは48.5%であった。以上のことからかなりの患者は自分の病室でくつろぎを体験しているが,それは長期にわたって安定せず変動しやすいものであることが知られた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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