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研究と報告
神経心理学的検査による分裂病性痴呆とアルツハイマー型老年痴呆の比較
著者: 中川敦子1 鳥居方策1
所属機関: 1金沢医科大学神経精神医学教室
ページ範囲:P.939 - P.945
文献購入ページに移動 抄録 いわゆる分裂病性痴呆と老年痴呆の異同を検討するため,長谷川式痴呆診査スケールによりほぼ同程度の知的機能の低下を有すると判定された慢性分裂病者群ならびにアルツハイマー型老年痴呆患者群に対して,概念形成・推理,絵画配列,およびRavenのColored Progressive Matricesの3種類より成る問題解決課題,ならびに記憶課題により構成される我々独自のテストバッテリーを施行した。その結果,老年痴呆群においては記憶障害が目立つのに対し,いわゆる分裂病性痴呆では問題解決能力の低下が比較的高度であることがわかった。なお,両群における問題解決能力の低下の差異を最も有効に検出するためには,至適の課題難易度が要求されるように思われた。また,老年痴呆患者の問題解決能力の低下には記憶障害がかなり関連するのに対し,分裂病者の問題解決能力の低下は記憶障害とはほぼ無関係であると判定された。
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