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研究と報告
精神分裂病における挿話性病理現象の症候学について
著者: 佐藤田実1
所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.955 - P.964
文献購入ページに移動 抄録 発作性挿話性の現象を呈する多数の症例を基にして,この現象の症候学的特徴とその概念規定について検討して,考察を加えた。症例収集の際は,症状が発作性に出現し,患者が自己違和的な構えを取ることを条件とした。対象は分裂病65症例,非分裂病4症例であった。発作の精神症状の中では,知覚性症状が一番多いが,その他狭義の思考障害,陽性・産出性症状,感情性症状などがあり,多様であった,また,発作に急性錐体外路症状が随伴した症例は42%あった。そして,発作性挿話現象は,抗精神病薬の減量により,症状内容には関わりなく,消退した。
精神症状に伴う錐体外路症状が見逃されやすいこと,本現象の全貌を把握する症候概念が従来なかったこと,本症候の定義は,症状内容よりも発作性,自己違和性を条件にすべきであること,本現象は分裂病に特異とはいえず一つの症候群であることを考察し,最後に,本現象の成因論などについて述べた。
精神症状に伴う錐体外路症状が見逃されやすいこと,本現象の全貌を把握する症候概念が従来なかったこと,本症候の定義は,症状内容よりも発作性,自己違和性を条件にすべきであること,本現象は分裂病に特異とはいえず一つの症候群であることを考察し,最後に,本現象の成因論などについて述べた。
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