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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻9号

1989年09月発行

文献概要

研究と報告

作話の質問表による研究—作話における聴覚・言語的連想の脱抑制について

著者: 兼本浩祐14 兼本佳子2 濱中淑彦3

所属機関: 1ベルリン自由大学神経科 2ベルリン工科大学言語学科 3名古屋市立大学精神科 4国立療養所宇多野病院関西てんかんセンター

ページ範囲:P.965 - P.970

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 抄録 12人の臨床的に作話症状を示した患者をMercerら(1977)の質問紙を修正した28項目からなる構造化された質問表及び修正三宅式記銘力検査を用いて検査した。その結果,作話症状は,見当識及び健忘症状の程度とは比例せず,更に近時記憶に属する事柄に関する質問が最も作話を誘発しやすかった。また,近時記憶と関連する問いに対して最も高い率で作話症状をみせた3人の被検者が共に修正三宅式記銘力検査において他の被検者には観察されなかった聴覚・言語的な誤りをおかしたため,この所見の意味について考察を加えた。発生的により新しいとされる意味的結合(Piaget,1923)が,発生的により古いとされる聴覚・言語的結合を抑制できなくなることが,作話発現になんらかの意味をもっている可能性を示唆した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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