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研究と報告
鎮咳感冒剤および抗ヒスタミン剤依存を示した1症例—鎮咳剤依存形成に関する薬理学的考察
著者: 前田潔1 新谷猛1
所属機関: 1神戸大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.987 - P.990
文献購入ページに移動 抄録 鎮咳感冒薬と抗ヒスタミン剤依存の1例について報告した。この症例は偶然,この二つの薬を同時に服用することによって各々を別々に服用した場合に比べて,はるかに強い効果が得られることに気づき,疲労をとる目的で常用量の6〜12倍を連用していた。連用を中断すると激しい倦怠感,発汗,嘔気,めまいが7〜10日続いた。この症例の依存形成の過程から,社会的に大きな問題となりつつある鎮咳剤ブロンの依存形成について考察した。鎮咳剤の乱用はほとんどブロンによって生じており,他の鎮咳剤との配合の違いが,連用される理由と考えられた。特にクロルフェニラミンがジヒドロコデインやメチルエフェドリンの作用を増強することによって,依存形成を促進するのではないかと考えられた。
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