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文献詳細

雑誌文献

精神医学31巻9号

1989年09月発行

文献概要

研究と報告

鎮咳感冒剤および抗ヒスタミン剤依存を示した1症例—鎮咳剤依存形成に関する薬理学的考察

著者: 前田潔1 新谷猛1

所属機関: 1神戸大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.987 - P.990

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 抄録 鎮咳感冒薬と抗ヒスタミン剤依存の1例について報告した。この症例は偶然,この二つの薬を同時に服用することによって各々を別々に服用した場合に比べて,はるかに強い効果が得られることに気づき,疲労をとる目的で常用量の6〜12倍を連用していた。連用を中断すると激しい倦怠感,発汗,嘔気,めまいが7〜10日続いた。この症例の依存形成の過程から,社会的に大きな問題となりつつある鎮咳剤ブロンの依存形成について考察した。鎮咳剤の乱用はほとんどブロンによって生じており,他の鎮咳剤との配合の違いが,連用される理由と考えられた。特にクロルフェニラミンがジヒドロコデインやメチルエフェドリンの作用を増強することによって,依存形成を促進するのではないかと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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