文献詳細
研究と報告
長期通院分裂病者の社会適応と治療的背景
著者: 藤森英之1 分島徹2 坂口正道2 木崎康夫3
所属機関: 1東京都立墨東病院神経科 2東京都立松沢病院精神科 3積善会曽我病院
ページ範囲:P.19 - P.27
文献概要
患者を支える家族には「逗留—寛恕型」,「節介—束縛型」,「役割—分担型」や「処世—教示型」が,配偶者には「共感・受容型」と「指示・助言型」のあることを述べた。就労状況は男女を含め84.3%のものが自立・半自立をしているが,長期通院患者の多くは対人接触や周囲の状況変化に「臨機応変」の対応が苦手で,対人交渉をあまり必要としなく仕事の内容に変化の少ない職場に適し,時に些細な出来事への反応が再燃・再発へと発展すること,治療者—患者関係における依存形成と薬物療法との関連を示唆した。
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