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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻1号

1990年01月発行

文献概要

研究と報告

頭部CTでみられる巨大な透明中隔腔およびベルガ腔のう胞の臨床的意義

著者: 竹下久由1 井上雄一1 上田かおる1 川原隆造1 挾間秀文1 井上絹夫2 田中潔3

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2但馬病院 3倉吉病院

ページ範囲:P.55 - P.62

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 抄録 頭部CT検査で透明中隔腔(CSP)やベルガ腔(CV)が認められ,大脳の最大横径に対する腔の最大横径の比率が2%以上の精神神経疾患患者74例について,腔の大きさと脳波所見および臨床症状との関連性を検討した。全例の腔の比率の平均は7.0±3.2%で,比率9%以上の17例を巨大腔例とし,5%以下の23例と比較した。
 その結果,CSPやCV以外のCT所見上の異常には両群間で差はなかったが,脳波異常は巨大腔例では83.3%に認められ,比率5%以下の25%に比べ有意に多かった。また臨床症状についてみると,小さな腔のものでは診断名や症状に一定の傾向はなかったが,巨大腔例ではてんかんとその類縁症状,精神遅滞,器質性あるいは反応性色彩の強い精神分裂病様状態および神経症様状態の4群の症候を呈するものが多かった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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