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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻1号

1990年01月発行

短報

抗精神病薬による薬物治療中,横紋筋融解症を生じた1臨床例

著者: 高野宗大1 鈴木利人2 小泉準三2 高野敬太郎3

所属機関: 1筑波大学附属病院精神神経科 2筑波大学臨床医学系精神医学 3医療法人光会東水戸病院

ページ範囲:P.97 - P.100

文献概要

I.はじめに
 Rhabdomyolysisは種々の原因により,骨格筋細胞の融解をきたす病態であり,精神科領域ではアルコール中毒やヘロイン中毒,けいれん重積などのほか,抗精神病薬の投与により生ずることが報告7)されている。このうち抗精神病薬によるものでは悪性症候群に伴い出現する例が多いが,抗精神病薬が筋細胞に与える影響については現在もなお不明な点が多い。
 今回,著者らは抗精神病薬を増量したところ数日後からrhabdomyolysisとそれに続く急性腎不全を生じ,血液透析により軽快した精神分裂病の1男性例を経験した。本例は抗精神病薬により生じるrhabdomyolysisの発症に関し,従来の報告例と異なり悪性症候群に続発していない点で興味ある1例と思われたので若干の考察を加え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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