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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻10号

1990年10月発行

文献概要

研究と報告

脳血管性痴呆に類似の多彩な精神症状を呈したミトコンドリア脳筋症(MELAS)の1症例

著者: 黒田治1 関公一2 水谷喜彦2 佐藤猛3 堀田直樹1

所属機関: 1東京都立松沢病院精神科 2東京都立松沢病院神経内科 3順天堂大学医学部神経内科

ページ範囲:P.1103 - P.1109

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 抄録 37歳の時,けいれん発作で発症し,当初脳梗塞を疑われたMELAS(mitochondrial myopathy,encephalopathy,lactic acidosis and stroke-like episodes)の1例を報告した。
 低身長,頭痛,けいれん発作,失語や視空間失認などの巣症状からなる臨症床状と,頭部CTでの脳梗塞様の低吸収域,血中および髄液中の乳酸,ピルビン酸の高値,筋生検で観察されたragged-red fiberなどの検査所見よりMELASと診断され,coenzyme Q10 idebenoneの大量投与療法が行われた。本例では上記の臨床症状に加えて,感情障害,痴呆,人格水準低下,意識障害など多彩な精神症状が観察された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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