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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻11号

1990年11月発行

研究と報告

遅発性ジストニアの臨床経過と予後

著者: 原田豊1 岸本朗1 井上雄一1 水川六郎1 高田照男1 青山泰之1 挾間秀文1 浜副薫2 鎌田修3 杉原克比古4 杉原寛一郎4 西川正5

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2皆生小児療育センター 3国立浜田病院 4安来第一病院 5西川病院

ページ範囲:P.1163 - P.1171

文献概要

 抄録 遅発性ジストニアを有する精神分裂病41名,その他3名,計44名(男性24名,女性20名)について調査を行った。遅発性ジストニア出現時平均年齢36.9歳,抗精神病薬投与開始からジストニア出現までの期間は平均8.3年であった。遅発性ジストニアを,抗精神病薬投与からジストニア出現までの期間が3年未満の持続型(n=22)と3年以上の遅発型(n=22)に分類し,比較検討した。持続型のジストニアは,少量の抗精神病薬で短期間に出現し,脳の脆弱性の存在が考えられた。一方,遅発型では,抗精神病薬増量が誘因となっていた。誘因となった抗精神病薬としては,ブチロフェノン系剤,プロペリチアジン,レボメプロマジンが考えられた。抗精神病薬の中止,減量によるジストニアの寛解率は,ジストニア出現から抗精神病薬中止,減量までの期間と関連し,治療開始年齢,治療期間,ジストニア出現時年齢とは関連はなかった。ジストニア出現時の治療指針を提示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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