icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻12号

1990年12月発行

文献概要

研究と報告

糖尿病患者にみられた皮膚寄生虫妄想の1例—身体的要因および心理的社会的孤立の役割について

著者: 冨山學人1 林竜介1 根本豊實1 長谷川雅彦1 松森基子1 竹内龍雄1

所属機関: 1帝京大学医学部付属市原病院精神神経科

ページ範囲:P.1277 - P.1283

文献購入ページに移動
 抄録 糖尿病治療開始後8年目に典型的な皮膚寄生虫妄想を発症した58歳男性の1例を報告した。本症の発症と糖尿病との関連について,Busch Gの症例と比較し検討した。
 身体的要因としては,糖尿病が直接関係するのではなく,晩期合併症である血管性障害による微細で広範な脳の器質的変化が重要な要因の1つと考えられた。また,糖尿病による痒みを中心とした皮膚感覚異常が発症の契機としての役割を果たしたと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?