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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻12号

1990年12月発行

研究と報告

精神分裂病者の学校適応状況(第1報)—状態像との関係について

著者: 弟子丸元紀1 赤城藤孝1 宮本憲司朗1 山下建昭1 上妻明彦2 荒木邦生1 橋村哲男1 木村武実1 中村能文3 宮川太平1

所属機関: 1熊本大学医学部精神神経学教室 2国立療養所菊池病院 3飯塚病院

ページ範囲:P.1301 - P.1310

文献概要

 抄録 精神分裂病者(54名)の学校適応状況について検討した。外来受診時は各学年ともに6〜7割が不登校であった。発病状況では急性・亜急性型より潜伏期型が学校適応が悪かった。退院後の学校適応について状態像との関係をみると,緊張病症状群が前景群は69%,活発な幻覚・妄想状態が前景群は64%,情意減弱状態,関係・被害妄想が前景の群は65%,心気症状,関係・被害妄想が前景の群は40%,神経症症状を示す例は全例が不適応であった。入院中の症状との関係は,「気分・行動変調」および「異常体験」より,「情意減弱状態」が学校適応の障害となっている。また病棟内の生活態度との関係は適応が良い例は,入院治療に際し,治療者の指示に従い,学校のことよりも治療優先的態度を示し,かつ仲間関係が保て,運動・レクレーションヘの参加意欲を示す例であり,一方,自分の判断・考えで行動し,自我理想が高く,対人関係で葛藤状況を来しやすい例は学校適応が困難であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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