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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻12号

1990年12月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病患者の病前行動特徴(第4報)—通知表による分裂病患者とその同胞および感情病患者と神経症患者の行動評価の比較

著者: 高橋象二郎1 岡崎祐士2 増井寛治3 原田誠一1 高桑光俊4 佐々木司5 飯田茂6

所属機関: 1東京都立中部総合精神保健センター 2長崎大学医学部精神神経科学教室 3都立松沢病院 4多摩病院 5神経研究所晴和病院 6埼玉医科大学医学部精神神経科学教室

ページ範囲:P.1311 - P.1317

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 抄録 我々はこれまでに,小・中学校時代の通知表を用いて,分裂病,その同胞,感情病を対象に病前行動特徴について比較し検討を行ってきた。その結果,学童期から,分裂病は,いわゆる「分裂気質」や「陰性症状」と類似した行動特徴が,一方,感情病は,執着気質と類似した行動特徴が認められた。さらに,学童期の行動特徴から,3者をかなりの程度弁別することができることを示した。
 今回は,分裂病の病前行動特徴の疾患特異性をさらに調べる目的で,分裂病(21名),分裂病の同胞(21名),感情病(11名)と共に神経症(14名)の病前行動も含めた4群間の比較を行った。その結果,分裂病は,病前行動特徴として報告してきた行動項目の多くが神経症との間でも有意差が認められ,これらの行動特徴が疾患特異的である可能性がさらに増した。神経症は今回の結果では,分裂病同胞と同じく,他の3群との比較において共通して抽出される病前の行動特徴を認めなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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