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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻12号

1990年12月発行

文献概要

シンポジウム 「うつ」と睡眠

“うつ”と“痴呆”を呈する老年者の睡眠

著者: 大川匡子1

所属機関: 1秋田大学医学部精神科学教室

ページ範囲:P.1359 - P.1366

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I.はじめに
 老年者にみられるうつ状態には様々な症状がみられる。とりわけ,不安・焦燥,抑うつ感情,精神運動制止などの中核症状に睡眠障害を伴っていることがきわめて多い。また老年者にみられるうつ状態には痴呆を合併していることも多く,老年者の“うつ”と“痴呆”の鑑別が困難である場合が少なくない。このような老年者にみられる“うつ”と“痴呆”のいずれも加齢に伴う脳器質的障害を背景として生じる病態であり,それらは相互に近縁の病態であると考えられている4,15)
 また老年性痴呆の患者は,様々な認知機能の障害に加えて,夜間せん妄などのために夜間に徘徊するなどの異常行動を示すことが多く,その時には睡眠・覚醒リズムの障害を伴っていることがきわめて多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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