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「精神医学」への手紙
●Letter—「アルファ昏睡を呈した急性薬物中毒の1例」について
著者: 坂元薫1
所属機関: 1東京女子医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.1377 - P.1377
文献購入ページに移動 筆者も過去に同様の症例を経験したことがあり2),上記短報を興味深く拝見しました。これまで急性薬物中毒によるα昏睡の報告は少なく,本邦では数例に過ぎないようですので,ここで自験例につき簡単に報告しておきたいと思います。
症例は昭和29年生まれのうつ病の女性です。昭和57年11月8日午後8時頃,自殺の目的でアモバルビタール約7000mgを服用し,翌9日午前9時に当科に救急入院となりました。入院時自発呼吸は保たれていましたが,昏睡状態にあり,ICUにて呼吸・循環管理等を行いました。脳波では,両側前頭-頭頂優位に,10〜14Hz,50〜100μVの痛覚・光・音刺激に反応しない,主としてα帯域波が優位にみられました。その後意識レベルの回復につれてむしろ2〜5Hz,100〜150μV前後の全般性の徐波が目立つようになりましたが,服薬9日目の完全に回復し意識清明な状態では,後頭優位に10〜11Hz,50〜100μVの規則的なα律動が認められました。なお全経過を通じて心肺機能は比較的良好に保たれていました。
症例は昭和29年生まれのうつ病の女性です。昭和57年11月8日午後8時頃,自殺の目的でアモバルビタール約7000mgを服用し,翌9日午前9時に当科に救急入院となりました。入院時自発呼吸は保たれていましたが,昏睡状態にあり,ICUにて呼吸・循環管理等を行いました。脳波では,両側前頭-頭頂優位に,10〜14Hz,50〜100μVの痛覚・光・音刺激に反応しない,主としてα帯域波が優位にみられました。その後意識レベルの回復につれてむしろ2〜5Hz,100〜150μV前後の全般性の徐波が目立つようになりましたが,服薬9日目の完全に回復し意識清明な状態では,後頭優位に10〜11Hz,50〜100μVの規則的なα律動が認められました。なお全経過を通じて心肺機能は比較的良好に保たれていました。
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