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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻2号

1990年02月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病の再燃予測因子に関する研究—発病後10年以上の外来患者における観察

著者: 堀彰1 永山素男1 島田均1 島薗安雄2

所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院精神科 2国立精神・神経センター

ページ範囲:P.155 - P.161

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 抄録 臨床的・生物学的指標を評価・測定し,その後1年間の経過を観察し,どの指標が再燃予測因子となるかprospectiveに検討した。罹病期間が10年以上で外来通院中の精神分裂病患者のうち,経過観察中に病状悪化のために抗精神病薬を増量した例を「病状悪化群」(16例),それ以外を「病状安定群」(22例)とし,事前に評価・測定した指標を比較した。(1)九大式精神症状評価尺度得点,三大学法行動評価表得点では,両群に有意の差はなかった。(2)抗精神病薬投与量(chlorpromazine換算)では,両群に有意の差はなかったが,抗精神病薬血中濃度は「病状安定群」で有意な高値を示した。(3)血清cortisol濃度は「病状安定群」で有意な低値を示した。(4)抗精神病薬血中濃度と血清cortisol濃度の間に有意な相関はなく,両者はそれぞれ独立して再燃予測因子となると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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