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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻2号

1990年02月発行

文献概要

短報

喫煙婦人の精神健康

著者: 渡辺登1

所属機関: 1駿河台日本大学病院精神神経科

ページ範囲:P.193 - P.195

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I.はじめに
 喫煙は身体諸疾患の危険因子5)である一方,タバコに含まれるニコチンは興奮と鎮静の相反する薬理効果をもち,ニコチン低用量で大脳皮質の覚醒度を高め退屈を緩和し,高用量で自律神経系の活動を低下させ不安と緊張を和らげる1)。そのため,タバコによる身体的有害性の強調にもかかわらず,喫煙防止は必ずしも円滑に進んでいない。
 ところで,興奮や鎮静などの喫煙効果を求めてタバコを吸い続ける成人の精神健康はどのような状態にあるのだろうか。従来より,喫煙者には神経症的傾向を認める6,9),あるいは認めない3,13)との結果があり,一定していない。このたび,家庭婦人の喫煙状況と精神健康を質問紙法によって調査する機会を得たので報告し,検討を加えてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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