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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻2号

1990年02月発行

文献概要

短報

ミアンセリンに炭酸リチウムを追加投与することにより寛解に至った老年期うつ病の2例

著者: 寺尾岳1 谷幸夫1 一井貞明1 安松信嘉1

所属機関: 1産業医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.203 - P.205

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I.はじめに
 老年期のうつ病に対し三環系抗うつ剤を投与すると,その抗コリン作用により重篤な精神症状や身体症状が生じることを稀ならず経験する。特に,せん妄が生じたために治療継続が困難になることがあり,中枢性抗コリン作用をいかに少なくしつつ治療するかが重要な課題である。さて,四環系抗うつ剤の1つである塩酸ミアンセリン(以下,ミアンセリンと略す)は抗コリン作用の少ないことが特徴である。しかし,効果の点で三環系抗うつ剤に劣る印象は否めない。一方,抗うつ剤に抵抗性のうつ病に対して炭酸リチウム(以下リチウムと略す)を併用する方法が知られている3,4,7,9)。先行投与した抗うつ剤にリチウムを追加することで抗うつ効果の増強を期待するわけである。
 著者らは,ミアンセリンにリチウムを併用することにより寛解に至った老年期うつ病の2症例を経験したのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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