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短報
言語自動症と大脳優位性
著者: 兼本浩祐1 河合逸雄1
所属機関: 1国立療養所宇多野病院
ページ範囲:P.207 - P.209
文献購入ページに移動I.はじめに
言語自動症は精神運動発作として以前は総括されてきた発作形態と深い関係を持つ症状であるが3,4,6),それを主題とした論文は多くはないい2,4,9〜11)。その中では,Koernerら9)が深部脳波を用いた研究を通して,最も積極的に言語自動症と右側発作起始の密接な関連を主張している。しかし,従来の研究においてはJanz6)が指摘しているようにSerafetinidesら11)の言語自動症の五つの類型の中に本質的に発作の一部である狭義の意味での言語自動症と反応性の言語自動症(発作が到来することに対する恐怖やもうろう状態から正常意識に戻る途上にみられる見当識再獲得のための質問など)とが区別されないままに言語自動症として一括されていることに着目した研究はない。従ってこの点をふまえて言語自動症の局在症状としての価値を再検討することには意味があるものと思われる。
言語自動症は精神運動発作として以前は総括されてきた発作形態と深い関係を持つ症状であるが3,4,6),それを主題とした論文は多くはないい2,4,9〜11)。その中では,Koernerら9)が深部脳波を用いた研究を通して,最も積極的に言語自動症と右側発作起始の密接な関連を主張している。しかし,従来の研究においてはJanz6)が指摘しているようにSerafetinidesら11)の言語自動症の五つの類型の中に本質的に発作の一部である狭義の意味での言語自動症と反応性の言語自動症(発作が到来することに対する恐怖やもうろう状態から正常意識に戻る途上にみられる見当識再獲得のための質問など)とが区別されないままに言語自動症として一括されていることに着目した研究はない。従ってこの点をふまえて言語自動症の局在症状としての価値を再検討することには意味があるものと思われる。
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