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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻3号

1990年03月発行

文献概要

研究と報告

強迫的収集癖を主症状とした5歳児の1例

著者: 塩原順子1 小片富美子2

所属機関: 1信州大学精神医学教室 2信州大学保健管理センター

ページ範囲:P.299 - P.305

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 抄録 精神科において強迫症状を呈する幼児を診ることは少ない。また文献を調べた限りでは,その詳細な症例報告も少ない。
 我々は強迫的収集癖を主症状とし,多彩で重篤な強迫症状を認めた5歳男児を経験した。本例はほぼ最少年齢発症と位置づけられるが,強迫症状に対する抵抗の感情を初めとして大人の強迫症状と類似していた。発症要因として母の強迫性格の影響と,本児の不均衡な発達が重要と思われた。治療として従来の遊戯を含めた面接,母へのカウンセリングに加え,症状の激しさから行動療法(断行訓練),薬物療法(抗不安薬)を含めた多角的治療を要した。治療の結果強迫症状の軽減をみたが,今後も治療的かかわりを要すると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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