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いわゆるBinswanger病をめぐる諸問題
著者: 高畑直彦1
所属機関: 1札幌医科大学神経精神科
ページ範囲:P.344 - P.356
文献購入ページに移動I.はじめに
中枢神経系の白質障害が様々な神経・精神症状をもたらすことは当然予想されることである。1894年に報告されたいわゆるBinswanger病は,このような病態を紹介したものとして近年改めて注目を浴びてきているが,原著における臨床病理的記載の曖昧さもあり,現在に至るまで疾患単位として広く公認されてきたとは言いがたい。しかしその診断と成因をめぐっての議論は,大脳白質の病態生理や痴呆の原因について大きな示唆を与えてきたといえる45)。本展望では,このようないわゆるBinswanger病をめぐる様々の所見と見解を取りあげ検討してみることとする。
中枢神経系の白質障害が様々な神経・精神症状をもたらすことは当然予想されることである。1894年に報告されたいわゆるBinswanger病は,このような病態を紹介したものとして近年改めて注目を浴びてきているが,原著における臨床病理的記載の曖昧さもあり,現在に至るまで疾患単位として広く公認されてきたとは言いがたい。しかしその診断と成因をめぐっての議論は,大脳白質の病態生理や痴呆の原因について大きな示唆を与えてきたといえる45)。本展望では,このようないわゆるBinswanger病をめぐる様々の所見と見解を取りあげ検討してみることとする。
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