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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻4号

1990年04月発行

文献概要

研究と報告

痴呆症状評価尺度GBSスケールの日本語版作成とその信頼性の検討について

著者: 新井平伊1 野口岩秀1 岩本典彦1 小林一成2 文元秀雄1 小山隆1 小阪憲司3 飯塚禮二1 G. Bråne4

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室 2都立松沢病院精神科 3東京都精神医学総合研究所 4

ページ範囲:P.365 - P.374

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 抄録 痴呆の総合的な状態像の把握や推移の判定に有用な評価尺度として世界的に広く使われているGBSスケールを翻訳して日本語版を作成し,その評価尺度としての信頼性(Reliability)を検討した。検者二人がペアを組み,痴呆性疾患患者31名を対象として,日本語版により状態像を評価したデータを,統計学的に処理し,Spearmanの順位相関係数および一致率を算出した。その結果,ほとんどの項目において統計学的に有意で高い相関係数と高い一致率が得られた。有意な相関係数が得られなかった項目については,考案者らと協議の上書き改め改訂版を作成し,再度上記のような試行を行ったところ,改訂版に関しては信頼性が高いと判定できる結果が得られた。今回の2回にわたる試行から明らかになったGBSスケールの持つ問題点について若干の考察を加えるとともに,使用前における評価法の説明が重要であることを強調した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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