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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻4号

1990年04月発行

文献概要

研究と報告

うつ病における抗うつ剤に対する治療反応性の予測

著者: 永山治男1 長野浩志1 池崎明1 田代哲男1

所属機関: 1大分医科大学精神神経医学教室

ページ範囲:P.375 - P.381

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 抄録 うつ病の抗うつ剤治療においてその治療反応性を予測する目的をもって,40名の同病入院患者に4週間にわたってclomipramineによる一定した治療を行った。予測因子としてはHamiltonうつ病評価尺度(HRSD),Beckうつ病評価尺度(BDRS)およびデキサメサゾン抑制試験(DST)を用いた。これにより次の結果を得た。この4週間の間の症状改善度および4週間目の重症度の予測に最も有効なのは,治療開始後最初の1週間のHRSDにおける全般的改善度および1週間目の重症度であった。治療開始前の重症度は予測性を示さなかった。個々の症状には多少の予測性が認められたが上記指標には及ばなかった。BDRSは弱い予測性を示すにとどまった。DSTは予測性を全く示さなかった。以上により,治療反応予測において1週間のテスト治療の有用性が結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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