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3歳児健診時に発達性の言葉の遅れを示した児の追跡調査—予後の予測における多動傾向の意義
著者: 小田昇1 阿部和彦1
所属機関: 1産業医科大学精神医学教室
ページ範囲:P.391 - P.394
文献購入ページに移動 抄録 3歳児健診時に単語は言うが文章を話せない児の中から,発達テストの得点が低い児を除外することにより,特異的な発達性の言葉の遅れを示した児を選択した。対照群は3歳児健診時に正常な言葉の発達を示した児である。これらの児が平均して8歳になった時,母親に対し質問紙を郵送することにより追跡調査を行った。3歳時に発達性の言葉の遅れを示した児では,8歳時の〈字の読み書きが下手〉の項目が有意に高頻度であった。また3歳時に発達性の言葉の遅れを示した児のなかで,8歳時に〈字の読み書きが下手〉と回答した児をそうでない児と比較したところ,前者では3歳時の〈ガサガサよく動きじっとしていない〉と,8歳時の〈落ちつきがない〉の項目が有意に高頻度であった。3歳時の発達性の言葉の遅れに多動傾向を合併することが,のちの読字困難の高度な危険因子であり,予測的価値を有していることを示唆した。
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