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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻4号

1990年04月発行

文献概要

短報

悪性症候群とTEN症候群を起こし血液灌流と血漿交換が効果をあげた1例

著者: 清水淑子1 寺野易代1 小島武1 佐貫恵吉1 坪中信幸1 木村健一1 片山正一2 金杉和夫3 近藤靖児4

所属機関: 1堀ノ内病院 2大阪大学医学部第2病理学教室 3陽和病院 4東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.417 - P.421

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I.はじめに
 向精神薬の副作用の一つに,極めて重篤な症状を示す悪性症候群(syndrome malin)がある。その治療として数年前より,dantrolene1,10),bromocriptine18)が使用されるようになって一定の効果をあげてきた。また,中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis以下TENと略)4,6,7,9,14〜17)は,高熱,全身皮膚灼熱感と共にびまん性紅斑が生じ,後に広範囲の第2度熱傷に類似した大水疱を多発し,膜様に表皮が剥脱して湿潤したびらん面を形成してくる疾患である。本症はさらに乏尿,実質性またはうったい性肝炎,心炎,気管支肺炎などの重篤な臓器合併症を伴って,予後不良の場合が多い。
 今回,著者らははじめ悪性症候群にかかり,dantroleneを使用しながら血液灌流(direct haemoperfusion以下DHPと略),血液透析(hemodyalysis以上HDと略)を実施し著明な効果を上げたが,治癒1週間後にTEN症候群を起こし,これも血漿交換を利用した治療により著しい改善が認められた1例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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