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研究と報告
共通した原家族体験が認められた遅発性Anorexia nervosaの2症例の検討
著者: 川上香1 松本英夫1 深沢裕紀1 石川元1 大原健士郎1
所属機関: 1浜松医科大学精神神経医学教室
ページ範囲:P.475 - P.482
文献購入ページに移動これらの2症例は発症が緩徐で経過が長く,また,両症例とも両親の不仲と父親の不在,見合い結婚後も母親への依存が続く,などの共通した家族背景を持っており,特異な家族力動が示唆され,家族療法にも反応がみられた。両症例は思春期を女性性獲得を達成しないまま過ごし,結婚した結果,母親としての対処をせまられたとき発症したと考えられた。このとき,やせは母親役割の放棄ととらえることができた。
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