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研究と報告
Haloperidolが原因と考えられる赤芽球癆
著者: 西松央一12 溝渕睦彦1 藤本直1
所属機関: 1愛媛大学医学部神経精神医学教室 2愛媛県立今治病院精神科
ページ範囲:P.511 - P.514
文献購入ページに移動25歳男性で精神分裂病の治療中,顆粒球,血小板は正常に推移していたにもかかわらず,正球性正色素性の貧血が生じた。しかも,末梢血の網状赤血球は0‰で,貧血に対して骨髄での反応がないことが推察された。骨髄穿刺は行わなかったが,その臨床像から赤芽球癆と診断された。投与薬物との関連を検討したところ,haloperidol,chlorpromazine,levomepromazineの併用中に貧血は生じたが,chlorpromazine,levomepromazineの中止によっても貧血は改善せず,haloperidolの中止によってようやく網状赤血球が著明な増加を示し,赤芽球系の造血が亢進し貧血が改善した。haloperidolの再投与は行わなかったが,経過から本症例の赤芽球癆の原因薬剤はhaloperidolと考えた。
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