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タンペレ市(フィンランド)における精神分裂病患者のリハビリテーションの統合的モデル
著者: 若生年久2
所属機関: 1 2三重県立高茶屋病院
ページ範囲:P.553 - P.559
文献購入ページに移動 本報告の舞台であるタンペレ市は,フィンランドの首都ヘルシンキの北180kmにある人口17万人の工業を主とするフィンランド第二の都市である。タンペレ市を含む人口345,000人のNorth-Hame地区が一つの精神保健行政区を形成し,ここでは目下,本論文に紹介されているごとく,行政と民間の団体とが密接な関連のもとに地域精神医療が発展しつつある。
訳者は昨年(平成元年)の5月にタンペレ市を訪問し,Antinnen教授のご案内の下,本報告に述べられている多くのリハビリテーション施設を見学することができ,その組織,活動内容,治療理念に深い感銘を受けた。当地の精神医療は,わが国の精神医療にとっても今後大いに参考になると思われたので,Antinnen教授の了解をいただき,その実態を詳細に報告しておられる先生の論文を訳出することとした。当地の地域精神医療が急速な発展をみたのは,1970年にLeena Salmijarviという一看護婦が,普通の住居に6人の患者と住み始めたのが契機となり,それが母体となって大学や行政の協力のもとに,今日のSopimusvuori協会という地域の強力なサポート・システムを発展させたことによると考えられる。
訳者は昨年(平成元年)の5月にタンペレ市を訪問し,Antinnen教授のご案内の下,本報告に述べられている多くのリハビリテーション施設を見学することができ,その組織,活動内容,治療理念に深い感銘を受けた。当地の精神医療は,わが国の精神医療にとっても今後大いに参考になると思われたので,Antinnen教授の了解をいただき,その実態を詳細に報告しておられる先生の論文を訳出することとした。当地の地域精神医療が急速な発展をみたのは,1970年にLeena Salmijarviという一看護婦が,普通の住居に6人の患者と住み始めたのが契機となり,それが母体となって大学や行政の協力のもとに,今日のSopimusvuori協会という地域の強力なサポート・システムを発展させたことによると考えられる。
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