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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻6号

1990年06月発行

文献概要

特集 精神分裂病の生物学的研究

分裂病研究における「臨床的・多元的アプローチ」の意義と方法について

著者: 豊嶋良一1

所属機関: 1埼玉医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.643 - P.648

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I.はじめに
 分裂病の生物学的研究には疫学,遺伝学,脳の形態学,組織病理学や生化学,神経生理学など様様な分野からのアプローチがあり,またデータを得る対象も分裂病患者,家族,社会集団や,実験動物など様々である。研究者の関心はおのずと自分の専門分野に限定されがちであるが,視野を分裂病研究全体に広げたうえで,その中における個々の研究テーマの意義を把握しておかないと,研究目標の設定や結果の解釈を誤まるおそれがある。そこで本稿では,分裂病の生物学的研究を簡単にふりかえり,現状の問題点を挙げたうえで,「臨床的・多元的アプローチ」の意義と方法について考察する。なお,ここでいう臨床的・多元的アプローチとは「診療の場で,多領域にわたる調査や検査を行うことによってデータを得る研究方法」を指している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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