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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻7号

1990年07月発行

研究と報告

長期生存したアルツハイマー病の大脳皮質病変について

著者: 池田研二1 水上勝義1 牧野裕1 浜元純一1 小阪憲司2

所属機関: 1東京都立松沢病院精神科 2東京都精神医学総合研究所神経病理

ページ範囲:P.711 - P.717

文献概要

 抄録 長期経過をたどり失外套症状群を呈し剖検で高度の脳萎縮を示したアルツハイマー病の4症例を報告した。今回は神経細胞脱落を指標として大脳皮質病変を検討し,以下の結論を得た。神経細胞脱落はとめどなく進行し高度の脳萎縮を呈するに至るが,皮質連合野が著しく侵されるのに対して,一次性運動知覚野は最後までよく保たれ,従来からいわれている特徴が,さらに際立って表現されていた。文献の検討から,アルツハイマー病の疾患過程においては,症例により初期病変の局在パターンや領域別の病変形成の速度に相違があり,これが臨床徴候に反映すると考えられるが,このような経過を経た後に臨床的にも病理学的にも,ここに示した長期生存例のように共通した像を呈するに至ると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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