icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻7号

1990年07月発行

研究と報告

治療経過中にせん妄状態を呈したrestless legs症候群の1例

著者: 金英道1 倉知正佳1

所属機関: 1富山医科薬科大学付属病院神経科精神科

ページ範囲:P.775 - P.780

文献概要

 抄録 Restless legs症候群の治療中にベンゾジアゼピン系薬物の投与によりせん妄状態を呈した1例について報告した。症例は鉄欠乏を伴った高齢女性であり,restless legs症候群に有効であるとされるベンゾジアゼピン系薬剤のトリアゾラムやクロナゼパムの投与によりせん妄状態を来し,カルバマゼピンの投与によりRL症候群の症状の消失とせん妄状態の消失をみた。せん妄時のポリグラフィーの自動解析の結果では覚醒時の中心部脳波の基礎周波数が7Hzと低下しており,前頸骨筋の活発な筋活動がみられた。足のムズムズ感が消失し,せん妄も消失した回復時のポリグラフィーの自動解析の結果からは脳波の周波数が8.5Hzと上昇し,前頸骨筋の筋活動の減少を認めた。
 本症例および文献よりRL症候群にはいくつかの下位群があると考えられ,これらのグループ間では効果のある薬剤が異なり,適切な薬剤が投与されない場合,せん妄状態を呈することがある危険性を指摘した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら