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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻7号

1990年07月発行

文献概要

紹介

局所脳血流測定による痴呆研究20年の歩み

著者: 山下元司1

所属機関: 1高知医科大学神経精神医学教室 2 3 4

ページ範囲:P.781 - P.787

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I.はじめに
 老年期の痴呆は医学的にも社会的にも大きな問題になると予想されている。痴呆の特異的治療法がないうえに,近い将来の患者数の急速な増加が予想されるからである。特に痴呆の有病率が高い75歳以上の年齢層が増加することがこの傾向に拍車をかけることとなる。高齢社会先進国であるSwedenのLund大学では痴呆研究の長い歴史があるが,ここではその研究について紹介したいと思う。
 Lund大学の痴呆研究の特徴は,
 (1)痴呆患者で脳局所血流量(regional cerebral blood flow;rCBF)の測定を行い診断に利用していること。
 (2)痴呆患者の神経病理学的検索が高率に行われていること。このことはrCBFの測定とあわせて脳の器質性疾患である痴呆を客観的に評価することに役立っている。
 (3)老年精神医学教室,神経心理学教室,神経病理学教室の共同研究が20年にわたって行われてきたこと。
 (4)新しい試みである痴呆患者の外来治療,自宅介護が行われていることである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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