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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻8号

1990年08月発行

特集 精神疾患の現代的病像をめぐって

ヒステリーの現代的病像について—抑うつと境界例化に注目して

著者: 中西俊夫1

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院精神医学

ページ範囲:P.845 - P.851

文献概要

1.はじめに
 古典的ヒステリーの減少が精神科医の間で語られるようになって久しい6)。最近では失立,失歩などの典型的な転換症状をみるのはごく稀になり,いわゆる大ヒステリーは臨床の場から姿を消し,忘れられたかのような存在になった。しかし,実際にヒステリーは減少したのだろうか? Kraepelin8)はヒステリー現象の本質はその変わりやすさであると断言しているが,今日の文化的状況の中でヒステリーが姿を変え,今なお精神科の臨床的問題になり続けている可能性は十分にある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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