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文献概要
特集 精神疾患の現代的病像をめぐって
性格障害の現代的病像をめぐる諸問題
著者: 大野裕1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.861 - P.868
文献購入ページに移動I.はじめに
近年,対人関係のトラブルや衝動的な行動に関係した問題のために精神科を訪れる患者が増加しているという意見をよく耳にする。この中には,境界性borderlineや自己愛性narcissisticの性格障害もしくは人格障害personality disordersと診断される患者群が含まれている。また,こうした性格障害に関する研究発表も盛んである。
そこで次のような疑問が浮かんでくる。境界性もしくは自己愛性と呼ばれる性格障害の発症率が年々増えてきて,精神科を受診する患者が増えているのであろうか。現代の社会的変化が性格障害の発症や病像に何らかの影響を与えて,そうした性格障害が増加しているのであろうか。こうした疑問に答えるには,これまでの研究だけでは不十分である。一貫した診断基準に基づく性格障害の疫学的研究が乏しいからである。
近年,対人関係のトラブルや衝動的な行動に関係した問題のために精神科を訪れる患者が増加しているという意見をよく耳にする。この中には,境界性borderlineや自己愛性narcissisticの性格障害もしくは人格障害personality disordersと診断される患者群が含まれている。また,こうした性格障害に関する研究発表も盛んである。
そこで次のような疑問が浮かんでくる。境界性もしくは自己愛性と呼ばれる性格障害の発症率が年々増えてきて,精神科を受診する患者が増えているのであろうか。現代の社会的変化が性格障害の発症や病像に何らかの影響を与えて,そうした性格障害が増加しているのであろうか。こうした疑問に答えるには,これまでの研究だけでは不十分である。一貫した診断基準に基づく性格障害の疫学的研究が乏しいからである。
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