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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻8号

1990年08月発行

文献概要

研究と報告

ICD-10・第Ⅴ章・草案の日本における多施設共同実地試行—ICD-10・第Ⅴ章の実地試行に関するWHOプロジェクトからの報告

著者: 大久保善朗1 小見山実1 高橋良1 中根允文2 山下格3 高橋徹4 西園昌久5

所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室 2長崎大学精神神経科学教室 3北海道大学精神医学教室 4国立精神・神経センター精神保健研究所 5福岡大学精神医学教室

ページ範囲:P.869 - P.880

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 抄録 ICD-10,第Ⅴ章の実地試行に関するWHO研究計画の一環として,ICD-10,第Ⅴ章,“臨床記述と診断ガイドライン”1986年草案を用いて,わが国において多施設共同実地試行を実施した。参加評価者は5施設,計61名であり,対象患者は計129例であった。全体として,診断の適合度,信頼度,難易度,記述の適切度において,いずれも良好な結果を示した。さらに,評価者間の診断一致率については,3桁までの主要診断における一致率は74.6%で,4桁までの下位診断を含めると63.8%であった。全体として,ICD-10は,国際的な疾病分類としてわが国の精神障害にも適用可能と思われた。しかし,個々をみると,適用に問題があり検討の余地が残されているカテゴリーも認められた。それらは,F 23.8:その他の急性精神病性障害,F 34.1:気分変調症,F 36.1:分裂うつ病性障害,F 41:その他の不安障害,F 45.2:心気症候群,F 60:人格障害などであった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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