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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻8号

1990年08月発行

文献概要

研究と報告

水中毒に続発したCentral Pontine Myelinolysisの1例

著者: 宮本歩1 中西一夫1 長尾喜一郎1 鯉田秀紀1 長尾喜八郎1

所属機関: 1寝屋川サナトリウム

ページ範囲:P.891 - P.897

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 抄録 精神分裂病にて20年間入院治療を続けていた患者が,多量の飲水に引き続きけいれん発作を伴う水中毒を併発した。血清Na 96mEq/lのため急速補正を行ったところ,血清Na値は補正後3日で141mEq/lと改善されたが,7〜8日後より高張性脱水を来し,血清Na 171mEq/l,血清浸透圧362mOsm/lであった。13日後には,無言状態,嚥下障害,弛緩性四肢麻痺を呈した。臨床症状,臨床経過およびMRI所見からCPMと診断した。CPMの成因として高張性脱水の関与が考えられた。水中毒の治療を行う場合,CPMの発症を予防する上で,血清Na値,血清浸透圧値に十分注意する必要があり,またCPMの生前診断にはMRIが有用であることを示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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