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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

Panic Disorder—4類型化の試み

著者: 竹内龍雄1 林竜介1 冨山學人1 根本豊實1 長谷川雅彦1 星野敬子1

所属機関: 1帝京大学市原病院精神科

ページ範囲:P.957 - P.962

 抄録 不安神経症の自験例のうちPanic Disorder(以下PD)を対象にretrospectiveに症例を検討し,Panic Attack(以下PA)の起こり方,予期不安や広場恐怖を含む神経症病像の形成,抑うつの有無などに着目して症状・経過を整理し,類型化を試みた。
 第Ⅰ型:PAの単発のみで終わるもの(PDとしては不全型)。第Ⅱ型:PAが繰り返されるが,それ自体の苦痛のみで予期不安や広場恐怖はなく,神経症化しないもの。第Ⅲ型:PAの繰り返しと予期不安,全般性不安,広場恐怖,心気症状などがあり,神経症としての病像を具備する。Ⅳ-1と共に不安神経症の中核群をなす。第Ⅳ型:抑うつを伴うものを一括する。続発性のうつ状態を呈するⅣ-1(最も多い),PDからうつ病への連続的な移行を示すⅣ-2,PDとうつ病の独立した病相を示すⅣ-3など。症例をあげ,若干の考察を加えた。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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