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文献詳細

雑誌文献

精神医学32巻9号

1990年09月発行

文献概要

研究と報告

慢性精神分裂病の臨床的特徴と頭部CT所見—重症群と軽症群の比較(第2報)

著者: 島田均1 永山素男1 堀彰1

所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院精神科

ページ範囲:P.979 - P.986

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 抄録 発病後10年以上経過した慢性精神分裂病患者のうち,最近3年以上入院を続けている患者(重症群,53例)と最近3年以上入院したことがない患者(軽症群,42例)を比較した。(1)九大式精神症状評価尺度得点,三大学法行動評価表得点,抗精神病薬投与量,総入院期間/罹病期間に関しては,有意の差が認められた。(2)長谷川式簡易知的機能スケール総得点では重症群の得点は軽症群より有意に低く,長谷川らの老人規準集団と同様の分布を示した。しかし,項目ごとの得点分布では老人規準集団と異なる分布を示した。(3)守屋らの横S字型図形再生図得点は重症群のほうが有意に低かった。(4)頭部CT所見においては,シルビウス裂,第三脳室および側脳室の拡大が重症群で有意に強かった。(5)これらの結果およびこれらの所見の相互関連を基に,両群の臨床的特徴とその生物学的基盤について論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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