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短報
長期経過をたどった多剤依存の1例
著者: 飯塚博史1 奥平謙一1 永野潔2 斎藤惇1 金子善彦1
所属機関: 1神奈川県立精神医療センターせりがや病院 2東京都精神医学総合研究所
ページ範囲:P.1003 - P.1006
文献購入ページに移動多剤依存の問題は,我が国では今だ欧米圏ほど表面化していないとはいえ,社会的影響の大きさからも,また依存の背景を考える上からも重要な問題であると思われる。薬物依存者は本質的に多剤依存の傾向を示すとする指摘もあるが,実際,ある種の依存症者は,自らが接する薬物のほとんど全てに対して強い親和性を示すことが知られている2)。
今回我々は,14歳から10年以上にわたり,アルコールのほか,麻薬を含む種々のタイプの薬物を同時期に使用し続け,特徴的な症状を呈するに至った症例を経験した。その内容を,若干の考察を加えここに報告する。
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