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「第4回日本精神保健会議」に参加して
著者: 藤森英之1
所属機関: 1東京都立松沢病院精神科
ページ範囲:P.1024 - P.1025
文献購入ページに移動神奈川県大和市の安斉三郎氏は多年の神経科診療所の経験を拠りどころに,初診時からリハビリテーションへの指向性をもち,地域で生活する患者はもちろん家族・近隣の人達に対しても,相談にのることが外来診療の基本姿勢であるが,高齢化する慢性通院者には現在の医療だけでは十分な対応ができないと語った。篠田峯子氏(国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院)はOTの立場から,障害者としてではなく障害を持った個人としてどのように生活していけるか,「働く」ことの意味について触れ,和歌山市の伊藤静美氏(麦の郷)は10年前に廃品回収業の現場で目のつりあがった手の震える人に出会い,「こんなんでえんやろか」,「なんとかせにゃあかん」といった衝撃が,障害者の自立への援助活動の原点になったと述べ,最後に大宮市の谷中輝雄氏(やどかりの里)がこれまでの自分の精神障害者への福祉活動を振り返りながら,「春はまだ来ないけれど…」,「二度と(病院に)戻るのやめような」を合言葉にやってきて,精神保健法の施行で「長い冬の時代」も終わりかと思ってみたが,まだまだ一握りの人達に頼っているのが障害者の福祉の現状であると結んだ。
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