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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻1号

1991年01月発行

文献概要

研究と報告

右(劣位側)側頭焦点を示し,時間迅速現象を呈したてんかんの1例—発作後プロラクチン濃度上昇にみる側頭葉内側構造の関与

著者: 原純夫1 龍倫之助2 原常勝3

所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室 2龍醫院 3駒木野病院

ページ範囲:P.53 - P.58

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 【抄録】 患者は2年前より時間感覚の変容(時間迅速現象),複雑な幻視,巨視,変形視,未視感,自律神経症状を発作性に体験するようになった42歳の女性。これらの症状は発作間欠期脳波にて右側頭部に限局する突発波を認めたことから精神発作と診断された。これまで時間感覚の変容を発作症状として呈したてんかんの文献例において,脳波図にて発作焦点部位を明示したものはみあたらず,時間感覚の変容(時間迅速現象)の発現機序につき考察を加えた。その結果,時間迅速現象後の血清プロラクチン濃度の上昇と脳波上の焦点部位から,劣位側の側頭葉内側構造を起始部とする発作発射の同側解釈皮質への拡延が想定され,同現象は解釈的錯覚(錯視)と考えられることを論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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