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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻1号

1991年01月発行

研究と報告

仁丹嗜癖で銀皮症を呈した精神分裂病の1例

著者: 大保義彦1 上山健一1 村岡新一郎1 亀井健二1 松本啓1

所属機関: 1鹿児島大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.59 - P.63

文献概要

 【抄録】 口内清涼剤“仁丹”の長期間の過剰摂取により,顔面,爪床を中心に,青灰色の銀沈着を来たし,銀皮症を呈した精神分裂病の1例を経験したので報告する。入院時検査で,血中に高濃度に銀が存在しており,鼻唇溝部および左上腕内側部の病理組織検査で,真皮上層にびまん性に異色小顆粒の銀沈着が認められ,毛包周囲および汗腺基底膜部に特に著明であった。また,本症例は経過中に全身けいれん発作があり,脳波検査で,2〜4Hzの不規則な棘徐波複合が,広汎性に持続的に認められた。発作の原因としては,長年にわたる多量の銀摂取による中枢神経系への銀沈着による脳の器質的変化が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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