icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻1号

1991年01月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病の治療動態調査(第2報・完)—8年間(1982年〜1989年)の受療類型と転帰

著者: 津村哲彦1 西野英男2 藤田憲一3 堤知子3 千葉浩彦2

所属機関: 1多摩済生病院・精神科 2武蔵野中央病院・精神科 3杏林大学医学部付属病院・精神神経科

ページ範囲:P.71 - P.78

文献購入ページに移動
 【抄録】 筆者らは,8年間に精神病院で治療を受けた精神分裂病者582人について,第1部の動態と転帰の結果をふまえて受療類型と治療的要因および社会性や転帰との関係について検討した。その結果,治療的要因では特別な要因は認められず,治療中断それ自体も決して悪い結果をもたらすとも限らず,また,社会性についても治療中断群のほうが良好であり,これにおいても治療中断が悪い結果をもたらしていない。しかし,治療中断により悪化再燃に至る病者の存在することは明らかであり,個別的判断をもって対処する以外に方法はない。
 第1部の結果と併せて考えると,薬物を中心とする集中的な治療は30歳以前に,30歳以降は多角的な社会に向けての広義の生活療法に治療が変更されるべきものと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?