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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻1号

1991年01月発行

文献概要

短報

老年期および外来におけるうつ病の治療—四環系抗うつ薬に炭酸リチウムを追加投与する方法

著者: 吉村玲児1 寺尾岳1 安松信嘉1 大森治1 白土俊明1 阿部和彦1

所属機関: 1産業医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.83 - P.85

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■はじめに
 老年期のうつ病に対し三環系抗うつ薬を投与する場合,治療量においても重度の抗コリン作用が起こることがある。これらには,焦燥感・頻脈・尿閉・イレウスなどが含まれ,さらに重篤になると,せん妄・錯乱・運動不穏・幻覚・けいれん発作なども生じることがある。また老人では,心疾患を合併している場合もあり治療継続が困難となる。一方,外来のうつ病患者に三環系抗うつ薬を投与する場合,口渇・霧視・便秘・排尿困難・起立性低血圧などの副作用からノンコンプライアンスが起こりやすい。さて,四環系抗うつ薬は三環系と比べて抗コリン作用などの副作用が軽度であり老人や外来患者に対して使いやすいという利点がある一方,効果の点で劣る印象は否めない。そこで私たちは,老人および外来患者8名に対して,先行投与した四環系抗うつ薬に炭酸リチウム(以下リチウムと略)を追加投与するという方法で抗うつ効果の増強を狙う治療を試みたのでその結果について若干の考察を加え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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