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文献詳細

雑誌文献

精神医学33巻1号

1991年01月発行

文献概要

短報

塩酸ビフェメラン与薬中,腹痛,嘔吐,粘血便などの消化器症状を示した痴呆の1例

著者: 内海晴美1 上与那原千賀子1 仲俣明夫1 宮里好一1 国元憲文1 小椋力1

所属機関: 1琉球大学医学部精神神経科学講座

ページ範囲:P.91 - P.93

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■はじめに
 塩酸ビフェメランは,わが国で開発された新しい脳機能・精神症状改善薬である。動物実験の結果から脳虚血等による神経伝達物質の代謝障害,神経細胞障害,神経症状,脳波異常などの改善が認められ,臨床的にも脳血管障害に基づく自発性の低下や感情障害に有効とされている。副作用としては,胃部不快感,食欲不振,胸やけ,嘔気,腹痛など消化器症状が報告され,副作用発現頻度は全体で8.7%であるが,そのうち消化器症状が7.7%を占めている1)。その他眠気,頭痛,倦怠感などの副作用も認められているが,いずれも重篤なものはなかったとされている1)
 今回,著者らは,塩酸ビフェメラン与薬16日目に下血を呈し,その発生原因に本薬物が関与している可能性が推測された症例を経験したので,その概略を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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