文献詳細
紹介
火山噴火による災害と精神保健—「被災地のPrimary Health Care Workerにより発見される精神的問題について:アルメロ(コロンビア)の経験から」—原著者:Bruno R. Lima, Silvia Pompei, Hernan Santacruz, Julio Lozano, Shaila Pai
著者: 角川雅樹1
所属機関: 1東海大学保健管理センター
ページ範囲:P.95 - P.100
文献概要
筆者は先に,1985年9月に起きたメキシコ大地震の結果,その被災者に精神保健上の問題が多くみられたことを紹介した。そして,日本では自然災害による被災者の精神保健について論じられることが少ない,ということを述べた。今回,コロンビアのNevado del Ruiz火山噴火による,アルメロ(Armero)市の崩壊と,それに伴う被災者の精神保健について,Bruno R. Limaらの論文を基に紹介することにしたい。
Limaらの論文は,メキシコ国立精神医学研究所が発行している“Salud Mental”(1989年3月)誌に掲載されたものであるが,Limaらが現地調査しまとめた論文は,そのほとんどがスペイン語で書かれているため,日本の専門家の目に触れる機会は少ないと思われる。そのような理由で,筆者は今回,上記論文の要旨を以下に紹介することにした。
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