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うつ病者におけるメランコリー型性格特徴と人格障害(その2)—メランコリー型性格特徴,DSM-Ⅲ-R人格障害およびその他の臨床特徴とうつ病の4カ月予後
著者: 佐藤哲哉1 田中敏恒1
所属機関: 1新潟市民病院精神科
ページ範囲:P.1059 - P.1067
文献購入ページに移動 【抄録】 外来で十分な量の抗うつ剤治療を受けている非精神病性大うつ病52名の4カ月予後とメランコリー型性格傾向,DSM-Ⅲ-R人格障害,その他のうつ病の臨床特徴との関連を調査した。治療開始後4カ月で寛解した者は,全対象の44.2%であった。4カ月予後の不良と関連する要因は,①DSM-Ⅲ-R人格障害が2個以上あること,②年齢が39歳以下もしくは50歳以上,③うつ病相にlifeeventが前駆していないか,重度から極度のlife eventが前駆していること,④病像にacting outがみられること,⑤cluster Bの人格障害が存在すること,⑥cluster Cの人格障害が2個以上あることであった。このうち,前3者の4カ月予後との関連が特に強かった。性別,うつ病の家族歴,メランコリー型性格傾向,メランコリー型病像特徴は4カ月予後とほとんど関連していなかった。これらの結果をすでに行われているいくつかの研究と比較しながら若干の考察を加えた。
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